甘く、甘い、二人の時間


「康介とは、昨日再会した。莉乃と飲みに行った居酒屋で働いてた。」


「いつも莉乃ちゃんと行く所?」



「うん。でも、康介は今のお店を任される様になったのは最近だって言ってた。だから、今まで見かけた事もなかったからすごく驚いたの。……別れてからずっと会わなかったから。」



「じゃあ今日は?」



「今日は……駅で偶然会って…」


「送って貰った?」


「…うん。」




私の答えに納得出来ない顔してる。

"どうして、送って貰った?"

拓海の目がそう言ってる。



「……泣いてるところ、見られたの。自分で帰れる大丈夫だって断ったけど、そんな顔で帰るのかって言われたから――」



「泣いてた?駅で?どうして、」

「拓海が…」


「…え?俺?」


「……」




"やきもち妬きました"

――どう伝えればいいのか分からなくなって下を向いてしまう。

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