甘く、甘い、二人の時間
「な…何で、笑うの?」
驚いた。
私は真剣に話をしてるのに、それなのに拓海は嬉しそうな顔をして。
「ごめん。だけど、駅で泣いてたのも、あいつと一緒にいたから?」
「……」
声は出さないけど渋々頷いた。
私の動作を見て、拓海はククッと笑いをかみ殺したような声を洩らす。
「何だよ。」
「!!何だよ?拓海ひど……――ん…」
さっきと同じ。
最後まで言わせて貰えなかった言葉は、拓海の唇に吸い込まれて。
激しくも優しい唇と舌に、怒りすら消されてしまう。
繰り返される甘いキスに思考回路が停止して、無我夢中で拓海の腕にしがみつく。
「菫…」
「可愛い。」
「愛してる。」
唇の離れた隙に何度も囁かれる甘い言葉は、私の心の黒い部分もどんどん溶かして。
素直になった身体は、どんどん熱を帯びていく。