甘く、甘い、二人の時間

「店長さんだって、十分いい男だよぉ~。」


かなり酔いのまわった莉乃が笑顔でそう言う。


そうだね。


康介だって十分いい男。




「ありがとうございます。」



笑顔で返した康介は、店の奥へと消えて行った。



「後腐れないし、本当いい男だよ、店長さん。」


今度は私に向かって呟く。


「気に入ったの?」


「そうじゃなくてさ、フラれたのに、あんなに真剣に菫と拓海さんの事応援するなんて。凄いね、偉いねって事だよ。」


「そうだね、本当だね。」




莉乃の言葉に素直に共感していた。


ありがとう、康介。



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