甘く、甘い、二人の時間
マンションに戻り、小さめのボストンに簡単に着替えを詰める。
「……」
すぐにでも菫のところに。
と考えていたが、動きを止めて思い悩む。
出張の準備を整えておいた方が安心だな。
慌ててクローゼットからトランクを出し、ワイシャツやスーツ等仕事用の着替えを詰める。
ビジネスバッグには大事な資料やPCをしまう。
全ての荷物を持って部屋を出て、足早に車に乗り込む。
何気なく腕時計を見ると9時を少し回っていた。
相変わらず菫から連絡は無い。
…本当に大丈夫なのか?
心配で堪らなくなる。
気が付けば、かなりのスピードで車を走らせていた。