甘く、甘い、二人の時間

菫のアパートに着き、携帯を鳴らしてみるがやはり出ない。


でも、部屋の明かりはついている。

という事は、部屋にいるはず。




こんな時、合鍵を持っていて良かったと実感する。


いや、でも…。


合鍵を渡して貰えるくらい信用されてるはずなのに、具合が悪い時に頼ってもらえないなんて…

どうなんだ、俺?



複雑な心境のまま、菫の部屋のチャイムを鳴らす。



――が、やっぱり応答は無い。


仕方ない。


合鍵を初めて使い、中に入った。
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