甘く、甘い、二人の時間
それから、通話しながら辺りを
キョロキョロ見回し――。
「×××××」
早口な口パクでそう告げた。
「…///」
もう。
拓海には敵わない。
こんなに私の胸をきゅんきゅんさせる。
とろけそうな幸せな気持ちになりながら見つめていると、拓海が軽く手を振ってきた。
どうやら通話が終わってオフィスに戻るみたい。
私も笑顔で手を振る。
ビルの中に消えていく拓海を確認した後、ブラインドを下ろした。