甘く、甘い、二人の時間
明日、出先の合間にショップに寄って見て来よう。
そう決めた途端、何気ない菫の言葉が蘇る。
"――このピンクのスマホ可愛い!"
そう言って、雑誌を見ながら目を輝かせてた。
「――」
少し考えて。
自宅の電話から菫の携帯を鳴らす。
「もしもし?さっきはごめん。」
「謝らなくていいよ?仕方ないよ、また携帯でしょ?」
「…ああ、やっぱり俺の携帯おかしいみたいだ。」
そう言うと、受話器の向こうからクスクスと笑う声が聞こえる。