仮面の下の俺 「愛してくれて、ありがとう。」
俺は病院を出た。
「うわぁ…すげぇ」
テレビでしか
見たことのなかった風景。
それが今俺の目の前に。
「…広いな」
空は終わりなく
広がっていた。
「お兄ちゃん!!」
「うわっ!!」
いきなり後ろから
抱きつかれた。
「ひかり!!」
「迎えに来てやったよ♪」
ひかりはいたずらに
微笑んだ。
制服姿のひかりは
昨日とは少し違って
大人っぽかった。
「おはようが先だろ、馬鹿」
俺はひかりに
デコピンをした。
「いたっ!!
もぅ~、おはよっ」
ひかりは楽しそうに
笑いながら俺から離れた。