誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―
◆Fourth Moon
“新様”がダメならば…?
「あのっ、新さ――」
『黙って。』
「ッ…!!」
こんな冷徹な新様なんて見たことない。
何?
何が起こってるの?
どうして新様が怒ってるの…?
「っ、ここ…!」
連れてこられたのは新様のマンションだった。
ヤダっ…!
「新様、離してっ…!」
『ッ!』
ここで初めて、私は新様に抵抗をみせた。
だって新様の家に行ったらきっと…!
「話ならまた今度…ッ」
『愛実!』
「ッ!?」
『お願いだから…来て。』
「……っ」
そんな傷ついたような目で私を見ないで…
そんな顔されたら、無力な私は従うしかないじゃない…。