誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―
エレベーターを降りて、新様の家の目の前。
ガチャッ
新様によって玄関が開いた。
『入って。』
私に有無を言わせない表情で新様は私に中に入るよう促し、新様に続いて中に入った私の先には――…、
カチッ
「え・・・?」
ガチャッ
『はぁ…勘違いし過ぎ、あゆみんは。』
「え・・・?」
中は真っ暗で、誰もいなかった。
横にはいつも通りのあの優しい新様。
ど、どういうこと…?
「ぇ…っと、こ、れは…?」
予想外すぎて私は固まるばかり。
何コレ。
あの綺麗な奥さんが何でいないの?
だって、病院に一緒に――っ