誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―
『…こっち。』
「あ…っ」
今度は優しく腕を掴まれて、リビングのソファに座らされた。
『勘違いだから。』
「え…?」
座るなり、新様が真剣にそう言った。
勘違いって…何が…?
『あゆみんは、俺といた彼女がどういう関係だと思ってるの?』
「…え、そんなの…、」
子どもがいる時点で、ねぇ…
「夫婦、なんですよね…?」
『はぁ…やっぱり。』
「え…?」
『病院行ってあゆみんが来た時、ヤバいなって思ったんだよね…。』
「あの…?」
新様には失礼だけど、新様が言ってることが全然理解できない。
やっぱりって、何が…?