誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―
「気にして、なかったでございまするか…?」
『?うん。なんか、おねーさん敬語可笑しいよ?』
きらきら笑顔の王子様を目の前に、私はもう放心状態。
嘘…。
そんなことって、ある…?
「でっ、ですがっ…実際に私はですねっ、王子様の貴重な時間と労力をッ…!』
『だから、もういいって、おねーさん。気にしなくても。そんなことより、ご飯食べよ?まだおねーさん、半分しか食べてないじゃん。』
「ッ…王子様…っ」
『さっきから思ってたんだけど、王子様って、俺?』
「貴方様意外に誰がいらっしゃるのですかっ…!」
愛実は貴方様意外に王子様などいません!
こんなにお優しいのは貴方だけです、王子様……。
『そっか、俺が王子様…。ね、それって、おねーさんの王子様が俺ってこと?』
「もっ、もちろんですっ!」
何回も頷く私。
『そっかー。俺がねー。じゃぁ、俺がおねーさんの王子様なら、俺がおねーさんのこと守ってあげないとね?』
「っっ!ま、守って、くださるのですか、王子様っっ…!」
『うん。』
か、感激…っ!
そして、かなりの良い感じの急展開ッ!
私、もう泡となって消えそうです…。。。