誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―
「愛実、」
『…っ、』
「愛実も俺のこと好きでしょ?」
『ッ――…!!』
俺と食事に行けないと、その理由を聞いたとき、確信したんだ。
愛実は、俺のことを想って、泣いてくれてるんだって。
泣かせてる俺…最低だと思ったけどさ。
それ以上に…嬉しいって思ってたよ。
でも、
でも俺は…――
『…っ、私…、』
「うん?」
『新様のこと…っ』
ちゃんと愛実の口から聞きたいんだ。
愛実の
『新様が好き…ですっ…!』
言葉で、ちゃんと。
そうじゃないと、意味がないだろう――?