誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―



「愛実、」

『…っ、』

「愛実も俺のこと好きでしょ?」

『ッ――…!!』


俺と食事に行けないと、その理由を聞いたとき、確信したんだ。

愛実は、俺のことを想って、泣いてくれてるんだって。

泣かせてる俺…最低だと思ったけどさ。

それ以上に…嬉しいって思ってたよ。

でも、

でも俺は…――


『…っ、私…、』

「うん?」

『新様のこと…っ』


ちゃんと愛実の口から聞きたいんだ。

愛実の


『新様が好き…ですっ…!』


言葉で、ちゃんと。

そうじゃないと、意味がないだろう――?





< 188 / 192 >

この作品をシェア

pagetop