誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―
ぉ、もい…?
誰もいなくなった公園で、私は一人立ち尽くす。
これでフられたのは通算22回目。
ある意味快挙を成し遂げた私。
全然、嬉しくないし……。
「“重い”って何?」
静かな公園に、私の声が落ちる。
毎回毎回、“愛実は重い”といって男は去っていく。
“重い”という理由でフられたのも、22回目だった。
何なの?“重い”って。
軽ければいいの?
何が“重い”の?
どこが“重い”の?
分からない。
もっと分かりやすく教えてよ。
そんな、二言で去っていかないで。
好きって、重いから意味があるんじゃないの?
重みがあるからこそ、大切にしなきゃいけないんじゃないの?
ねぇ、
私の考え、間違ってる…――?