誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―


――「水川 愛実、ただいま到着いたしましたっ!」


小児科のナースステーションにて、まずはご挨拶。


『ちょっ、水川さん!?何その格好!』


ナースステーションにいたのは副婦長である福島さんと、先輩の秋山さんと釘宮さん。

私の格好を見て驚いている。


「すみませんっ、昨日から色々とありましてっ…!ま、まずナース服に着替えて来ますっ!」

『当たり前よ!秀人くんのレントゲン、押してるんだから早くして!』

「はい!」


副婦長に怒られながら、ナースステーションの奥にある着替え室でナース服に着替える。

やだっ…あと5分で始まっちゃう!

放射線科の先生方は子供が大嫌いだから早くしないとっ!

着なれているナース服に着替え終えると、すぐさま秀人くんの病室に直行。


――ガラッ

『愛実姉ちゃんだぁーっ!』

「わっ!秀人くん!」


病室に入ると、秀人くんに1番に抱きつかれた。


『僕のためにきてくれたの?』

「うん、そうよ。だから、レントゲンに行こうね。」

『うん!』


可愛い笑顔で頷いてくれる秀人くん。

やっぱり子供は可愛くて仕方ない。


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