誘い月 ―I・ZA・NA・I・DU・KI―
◆Third Moon
お一人様ですか?
――水川 愛実、
早くも失恋の予感、です。
「ッ…裕南ぁーっ…!!フラれたぁあーーっ!!」
『ゎっ、ちょっ…愛実!?』
新様にお礼をして、約2週間。
電話をして、すぐ捕まった裕南を目の前に、私はファミレスで大泣きしていた。
『何で泣いてるの!?フラれたって…リョウくんに!?』
「ッ…ち、がう…」
『じゃ、誰!?愛実、もしかして…浮気してたの!?』
「ちがっ…!リョウくんとは…とっくの昔に別れたぁー!」
『ぇっ嘘っ…って、ぁあー…愛実ごめんーっ!そんな泣かないでぇー!』
「ぅうー!」
失恋した時にその前の失恋を思い出して号泣。
今、私はかなり病んでいた。
「またっ…好きな人が出来たのっ…!!なのにぃーっ」
『あー…愛実、辛いだろうけど、ちゃんと私にも分かるように説明して?ね?』
数時間前に見た光景を思い出して、また目頭が熱くなった。