ギャル★デビューですッ!!!【完】
「それから…私がどんなひどい目にあったか…。水をかけられたり、教科書に落書きされたり…机に虫を入れられたり…」
マキちゃんは涙目になっている。
だから、中2の夏から私へのいじめが、少し減ったんだ…。
「『…そんなことがあったんだ』『全然知らなかったよ』『ごめんね???』」
「………ななこ……」
「…なんとでも言うと思った???」
「………え…???」
「"水かけられて"、"教科書に落書きされて"、"机に虫"???……そんなの…そんなのあんたが私にやってきたことじゃん!!!」
全部…私にやってきたことじゃん!!!
「……私は…いじめる気なんてなかった。ただ、怖くて…自分がいじめられるんじゃないかって怖くて…。でも、私はななこを助けた。自分が犠牲になってでも、あんたを助けた…。」
「…………っ。」
「だけど…あんたは違った…。ななこは、いじめられてる私を見て見ぬ振りした。私は何度も謝った…
《ななこちゃん、いじめてごめんね。もう二度しません。だから…友達に戻ってください。お願いします。》
何度も何度もそう言った。…それなのに、ななこは無視をした。…あんたは……あんたは、私を見捨てたんだっ!!!」
「…怖かった!!私だって怖かったんだ…。信じたいけど、信じるのが怖かった…。私をいじめるための罠なんじゃないか…って疑ってた。いじめをするような人と関わりたくなかった!!!!!」
「………な…なな……」
「もう…騙されて傷つきたくなかった…」
「……ごめんなさい…っ!!!!」
マキちゃんは、私をぎゅっと抱きしめた。