‡3姉妹の恋‡【幸せになりたい私たち】
葛西くんの顔が
だんだんと、私に近づいてきて…
ヤダっ!怖いっ!
剛志っ!!!
「ミア? ミアなのかっ?」
十数メートル先から聞こえてきたのは、
久しぶりに聞く剛志の声…
「つ、剛志っ!」
私の声を聞いた剛志が
傘を道路に放り投げ
猛ダッシュで
こちらに向かってくる
「お前っ!
ミアに何してるっ!!」
葛西くんの肩を掴み
私を葛西くんから離した
「剛志…」
私の手を掴み
剛志の後ろに引っ張って移動させた
「何って…別に…傘、貸しただけだ…」
剛志も見たことのない形相になって
葛西くんを睨んだ
「ミア、行くぞっ」
落ちた傘を拾い
私の手を引き、2人でバス停へと向かった