【短編】未亡人の彼女と高校生の僕
秋の日は、日に日に短くなり、時折吹く川風もひんやりとする。
ハナさんが両腕をさすっているので、僕は自分の着ていた上着をそっと彼女の肩にかけた。
「ありがとう」
「うん」
僕は、いかにも彼氏らしい自分の行為に少し酔っていた。
「ねえ、耕介さん」
「ん?」
「これらも……ずっと、一緒にいたいな」
ハナさんは、水面を見つめながらぽつりと言った。
僕は彼女がたまらなく愛しく思えて、そっと手を握った。
「僕も」
「ほんと?」
「うん」
するとハナさんは、静かに笑みを浮かべた。
「……じゃあ、これからはずっと、わたしの旦那さまでいてね」
そう、ハナさんは言った。