【短編】未亡人の彼女と高校生の僕
「あの」
突然、彼女は口を開いた。
「はい」
「お名前は、なんとおっしゃるの?」
「萩野耕介(はぎの こうすけ)です。あなたは?」
「わたしは、赤井ハナ」
「ハナさん。かわいい名前ですね」
「ありがとう」
そう言うと、ハナさんはにっこりと微笑んだ。
「あの、耕介さん」
「はい」
「また、会えるかしら?」
少し遠慮がちに、だけどまっすぐなその瞳に、胸がきゅっとした。
「僕で、よければ」
僕がそう言うと、ハナさんはふんわりと微笑んだ。
少し顔を赤らめているハナさんが、とてもかわいかった。