里帰しの3人
私と彼ら二人の仕事は、迷いドラゴンを里に帰す事。

私達が生まれる何十年も前にドラゴンと人は戦い合った。

何時しか時は流れて人とドラゴンは共存する事を決めて。

それでめでたし、めでたし……って、訳にもいかない訳で。

残ったのはドラゴンに身内を殺された人間と、人間に身内を殺されたドラゴン。

この両者の共通点は“相手を憎む者もいる”と言う事。

相違点は“帰る場所があるかないか”と言う事。

人間には必ず何処かしらに帰る場所がある。それが血の繋がりのない人間の家でも。

だけどドラゴンには帰る家がない。だからずっとさまよい続ける。

だから家があっても“帰る家がない”と嘆く人間を、ドラゴンからすれば人間のエゴだと思うだろう。
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