《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
『ごまかしなんて許さない』


洸さんの瞳は、そう
言ってるみたいに見えた。



「本当に今のお前が本来の姿で。

お前はそれに、満足してる
のか?」



もう一度たたみかけるように
聞いてくる、凛とした声。



「あ……あたしは……」



満足なんてひどい言い方だ。

そんなのしてるわけないのに。



あたしが持ってるのは
諦めとか妥協とか、そんな
後ろ向きな感情ばかり。



―――だけど、怖いよ。



一度それを告げてしまったら……
そんな自分をハッキリ認めて
しまったら、あたしは
どうなるの?


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