《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「……お疲れ様です」



「あぁ。――どうだった?」



「え? あ、か、かっこ
よかったです」



あたしがそう答えたら、
洸さんは呆れたように顔を
しかめて、



「そんなことを
聞いてるんじゃない。

撮影の雰囲気は掴めたか
って意味だろ」



「――あ、すっ、すみませんっ」



慌てて謝るあたしを半眼で
ジトッと見つつ、洸さんは
グビリと一口水を飲んだ。



「ったく……見とれてる
だけじゃ、勉強にならない
だろうが」



「はい……ごめんなさい」



あたしなりに真剣には見て
たんだけど、たしかに、
ほとんど洸さんのかっこ
よさに圧倒されてるだけ
だったかもしれない。


_
< 121 / 480 >

この作品をシェア

pagetop