《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
(痛いって声に出すのも、
気をつけなきゃ……)



忙しい現場なんだ。他の人に、
よけいな心配かけちゃいけない。



とその時、背後から唐突に
声がかかった。



「――お疲れ。

それか、取り寄せた衣装は?」



「あれ、洸? お前なんで――」



振り返ったリュージさんが
不思議そうな声をあげる。



あたしも体が痛くてすぐには
振り向けなかったけど、
ちょっとビックリした。


洸さんはこの先の控え室で、
璃子さんにメイクして
もらってたはずだから。


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