《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
その音の合間を縫って――

何の前触れもなく、洸さんが
言葉を続ける――…。



「……必死でやってるのは、
見てればわかる。

無理は、するなよ」




「え―――…?」




あたしは座布団に手を
添えたまま、ポカンと
真上を見上げた。



一瞬だけ視線のあった
洸さんは、だけどすぐさま
フイッと目をそらしてしまうと、



「付き人もオレのペアも、
お前だけだ。

お前が体を壊したら、
どうにもならないだろうが」



「洸さん………」



うわ……どうしよう。



なんか――あたし今、
すっごく嬉しい――。


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