《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「まぁ洸、久しぶりね」



その女の人が鈴の転がる
ような声でそう言ったもん
だから、あたしはギョッとした。



――知り合いだったんだ。


狭い通路で行き会ったから、
立ち止まっただけかと思ってた。



でも考えてみればここは
スタジオで、相手は恐らく
同業者。


知り合いだったって、
ちっともおかしくはない。



「最近どうしてるの?

全然連絡くれなくなっちゃって」



女の人は微笑みながら
洸さんのすぐ前まで近づいた。



他に二人いた男の人は
通路の端に寄って、見守る体勢。


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