《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「いらっしゃいませー」
入ってきたのは、薄手の
黒いコートに身を包み、
サングラスをかけた男の人。
男の人は最初にサッと
店内を見回すと、すぐに
まっすぐこっちへ歩いてくる。
うちは注文を受けてから
調理するお店だから、ごく
普通のお客様の行動だ。
だからあたしもなんら気に
することなく、注文を受ける
態勢を整えて、レジ横で
待ってたら――。
「いたいた。見つけたぜ」
――男の人は、開口一番、
そう言った。
「は………?」
_
入ってきたのは、薄手の
黒いコートに身を包み、
サングラスをかけた男の人。
男の人は最初にサッと
店内を見回すと、すぐに
まっすぐこっちへ歩いてくる。
うちは注文を受けてから
調理するお店だから、ごく
普通のお客様の行動だ。
だからあたしもなんら気に
することなく、注文を受ける
態勢を整えて、レジ横で
待ってたら――。
「いたいた。見つけたぜ」
――男の人は、開口一番、
そう言った。
「は………?」
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