《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
手はもちろんのこと、
もしかしたら背中も汗ばん
じゃってるかもしれない。


酸素が足りてないはずは
ないけど、妙に息苦しい。



とにかく、いまだかつてない
緊張があたしを襲ってる。



だってあたし、男の人と
二人きりで、こんなふうに
車に乗るのなんて初めてだし。



おまけにそれがこんなに
カッコイイ男の人で、
正視しづらいほど整った
横顔でハンドルを切ってて。



しかも、こうなってる目的も
行き先もわからないときたら……

もう、冷静に乗ってろって
いう方が無茶だ。


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