《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「オイ、待て。

――何を勘違いしてる?

お前、もう忘れたのか?」



鋭い小声で言って、男の人が
あたしを引き止めた。



「え………?」



驚いたけど……でも同時に、
あたしはようやくハッと気づく。



(この声……もしかして……!?)



少し高めの、よく通る綺麗な声。



周りに聞こえないようにか
押し殺してるからわかり
づらかったけど、やっと
気づいた。



「ま、まさか……!?」



小さく叫んだ時、男の人が
サングラスを少し下にずらした。


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