《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「……………!」



そのセリフにツキンと胸が痛む。



昨日までなら嬉しかった
言葉が、今はナイフの
ようだった。



(目をかけて、なんて……)



璃子さん……今のあたしには
もう、わからないんです。


それが、本当なのか……。



「あたし……本当にそんなに、
洸さんに期待されてるのかな」



ポソッとこぼした言葉は、
音になると不思議なほど
存在感を強くして、そのまま
あたしの心にズシンと
降り積もった。



ハッキリとした疑惑の思いが、
知らず知らずのうちに、
次の言葉を生み出す。


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