《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
うっかり名前を出して
しまって、ハッと息を飲んだ。



「え? 聖恋? って――…」



「な、何でもないです」



慌ててごまかそうとする。



だけどその時、少し離れた
所から、予想外に響いた声
――…。



「……やっぱり、アイツが
絡んでるのか」



「……………っ!?」



あたしと璃子さんは、
同時にバッと顔をあげて
声の方向を見た。



あたし達しかいなかった
はずのメイクルーム。


その入口に、いつの間にか
洸さんが立ってる。



「ひっ、洸さんっ!?」



(ウソッ……まさか今の
聞いて――!?)


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