《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「――――来い」



「え? ちょっ、洸さん――!」



洸さんは、あたしの手を
掴んだまま廊下に出る。



引きずられてついて行き
ながら、あたしは目を白黒
させるしかなかった。



「どっ、どこに行くん
ですかっ!?」



ズンズンと進んでいく方向は、
このスタジオの出口のある方。



(ど、どうして? 休憩も
すぐに終わるのに――)



今日の撮影は一日がかりだ。



今の遅い昼休憩が終われば、
また夕方まで撮影なのに。



「洸さんっ、どこに――…!

撮影が……!」


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