《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「あ…………」



射抜くようなまっすぐな
視線に、思わず目を
そらしてしまう。



そう――あたしはちゃんと
聞いてた。



でも聖恋さんの言葉に
惑わされて、それを
信じられなくなって……。



「……ごめんなさい」



自分でもなんて優柔不断で
情けないって思う。



だけど、どうしようも
なかったんだ。



あたしの中に芽生えてる
気持ちは、今まであたしが
知らなかったもので。



この感情に支配されると……
あたしはこんなにも脆くて、
崩れてしまいそうだった。


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