《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
そう答えると、洸さんは
フイッと視線をそらしながら
『そうか』と呟いた。



「オレも、形にしないと
保証されないものなんて
バカげてると思ってる。

だけど……」



「…………?」



「お前は危なっかしくて、
こっちの方が不安になるよ。

だからお前には……そうだな、
ちょっとした儀式でもするか」



「え? ぎ、儀式?」



あたしは素っ頓狂な声を
あげたけど、洸さんはそれ
以上は説明することなく、
いきなり運転手に声をかけた。



「悪い、行き先を少し変更だ。

ミラージュパレスへ行ってくれ」


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