《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「あと15分で閉園だな」



腕時計を見ながら呟く洸さん。



「そうなんですか? 
それじゃあ帰りましょう」



なんだかんだで、乗り物
にもけっこう乗った。



「羽ならもう伸ばせたじゃ
ないですか。

早く帰って、瀬戸さんに
謝ら――」



「まだだよ。

っていうか、これからが本番だ」



「―――は?」



もうあたしは、ア然と
するしかない。



……これからが本番?


もうこれ以上、
何をしようって言うの?



「……観覧車にでも乗るか」



出口に歩き始めた人の
流れに逆らって歩きながら、
洸さんが言う。


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