《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
洸さんはそんなあたしを
見ながらフッと笑いを漏らすと、



「上空から見るっていうのは、
わりといいんじゃないかと
思ってな。

どうだ? 綺麗じゃないか」



「それは、まぁ……」



言われて再び目をやった
風景は、もちろん綺麗だ。

まるでキラキラの宝石箱を
眺めてるような気分。



それからしばらく、あたし
達はお互い無言でその景色を
見つめてた。



やがてゴンドラは下降を
始め、ゆっくりと地上に
降り立つ。



完全に停止すると、さっきの
スタッフがやって来て
うやうやしく扉を開けてくれた。


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