《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「カボチャの馬車――…」



―――あたしを、舞踏会へ
連れ出すための。



「ここでもう一度思い出せ。

お前が変わりたいって
望んでる、その気持ちを」



その声に、あたしはようやく
ハッと気づいた。



「もしかして、これが
“儀式”――?」



これがしたくて。



それで洸さんは、わざわざ
こんな所へ来たの?



「――お前の鈍感も、
もう慣れた」



そっとあたしの肩を抱いて、
洸さんは言う。



「ご、ごめんなさ――」



「謝るな。

もう、そのセリフはいい」


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