《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
そう言うなり、洸さんは
グイッとあたしの肩を引いた。



あたしは隣に座る洸さんの
胸に顔をうずめるような
形になってしまう。



「ひひっ、洸さんっ……!?」



ほとんど抱かれてるって
言っていい体勢。

ど、どうしてこんなこと……!



「――たまたま出会った
弁当屋のバイトに、いくら
なんでもここまですると思うか」



「―――――え?」



突然のセリフに、パニクり
かけてた心も一瞬それを忘れた。



「洸さん? そ、それって――」



「どれだけ第一印象よくたって、
普通そこまではしないだろ。

――そう思わなかったか?」


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