《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「――――っ!!」




――思ったよ。


っていうか、本当に少し
前まではずっとそう思ってた。



だけど――だけど、
まさか――…。



「……知ってるよ。

あのスタジオで出会うより、
もっと、ずっと前から」



「え……ウ、ウソ……!!」



まさか。

冗談……ですよね?



「この状況で嘘なんてつくか。

――本当だよ。

オレは前から、お前を知ってた。

お前が毎日何かに怯える
暗い顔であの店で働いてる
のも、知ってたよ」



「……………っ!」



信じられない。



あの日が、初めての出会い
じゃなかったなんて。


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