《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「で、でもあたしは洸さんの
ことを知らな……」



こんな人とどこかで面識が
あったなら、忘れるはずがない。



でもあたしの記憶の中には、
どこにも洸さんの姿はなかった。



「どこで会ってたんですか!?」



距離の近さに戸惑ってたのも
忘れ詰め寄るように尋ねた
けど、洸さんはそれには
即座に首を横に振って、



「お前が思い出さないなら、
忘れたままでいいんだ。

ただ、その事実だけ話して
おきたかった」



「えっ? そ、そんなぁ……!」



こんな重大なことを打ち
明けたのに、肝心なところを
教えてくれないなんてひどいよ。


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