《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
抗議の目を向けたけど、
洸さんの意思は変わらない
みたいで、



「知りたければ、自分で
思い出せばいいだろ」



「そ、そんな意地悪
言わないで下さいよ……!」



「意地悪なものか。

お前がどれだけ言っても
フラフラしてるから。

だから話したんだ。

本当は、言うつもりはなかった」



「え――――」



少し怒ったように高く
なった声に、あたしの胸が
ドキンとはねる。



洸さんはもう一度あたしの
顔を自分の胸に押しつけて、



「お前は気づかなくても
よかったんだよ。

だけどオレは――ずっと、
お前を変えたいと思ってた。

あんな寂しそうな顔を
してるお前は、見ていたく
なかったから」


_
< 375 / 480 >

この作品をシェア

pagetop