《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
「これ………?」



ヒロムさんの手が消えた
後には、小さく折り畳んだ
紙片が残ってる。



「オレの電話番号だ。

仕事が終わったら、連絡しろ」



「あ………!」



言うなりヒロムさんは
クルッときびすを返し、
もうツカツカと出口に向かって
歩き出してる。



「待っ………!」



何か問いを発するひまもなく、
あっという間にその姿は
自動ドアの向こうに消えて
しまった。



(待ってよ……本当に、
一体なんなの……?)



ア然としながら無意識の
うちに残されたメモを取り、
中を開くと。


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