《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
そうだ……これってつまり、
内緒話。



洸さんが周りにバレない
ように注意しながら、
あたしに声かけてくれたんだ。



「かわいい顔するように
なったじゃないか。

そんなにオレと話が
できなくて寂しかったか?」



「そ、そんな……!」



本当は図星だけど、こんな
言い方されたらハイそうです、
なんて素直に答えられない。



前を見たまま極力小さな
声でもらすと、洸さんは
声を殺してククッと笑って、



「強がってもムダだ。
顔に書いてあった」



「……………」



ならわざわざ聞かないで下さい。



あたしは半分ふて腐れて、
心の中でだけそう答えた。


_
< 389 / 480 >

この作品をシェア

pagetop