《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
(やだ……あたしたぶん今、
顔赤い……)



「……わかってるなら、
すねるな」



――あぁ、やっぱりだ。

あたしにはポーカーフェイス
って、一生無理なのかも。

それでもモデルって務まる
かな……。



そんなことを考えるあたしの
手に、そっと温かなものが
触れ、そしてすぐに離れていく。



洸さんが一瞬だけ、隣り合った
あたしの手を握ってくれたんだ。



「少しだけ、見学していくから。

―――頑張れよ」



最後にそう囁いて、洸さんは
元から一人で歩いてた感じで、
自然にあたしの傍を離れて
いった。


_
< 391 / 480 >

この作品をシェア

pagetop