《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
(あ…………)



隅の方で洸さんが見てるのを
わかってたから、つい
チラリと目をやった時。



洸さんが、さりげなく
自分の腕時計を示して、
合図を送ってくる。



(そろそろ行くってこと
かな……)



仕事の合間を縫って来て
くれたんだもんね。


それでもたぶん、15分
くらいは見てくれてた。


あたしにはそれで、充分嬉しい。



(ありがとうございました)



気持ちを込めてペコッと
頭を下げると、洸さんは
かすかな笑みを浮かべて
会場を出ていく。


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