《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
マンションの周りでも、
バイト先でも。



実家からたいして離れずに
生活してても、会ったこと
なんて一度もなかったのに――。




「―――やっぱり、仁科さん?」



彼はあたしの反応で確信を
得たのか、戸惑うことなく
声をかけてきた。



その声であたしもハッキリと
認識する。



……間違いない。あの人だ。



「昨日見た出演者リストで
名前見て、もしかしたらって
思ってたんだよ。

けど、ビックリしたなぁ。

練習には何度も顔出してた
のに、少しも気づいてなかった」


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