《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
そんな先輩は、何度か
委員会で会ううちに、いつも
ドン臭いあたしをフォロー
してくれるようになった。



クラスの要望をうまく
言えなくて困ってれば
助け舟を出してくれ、

重い道具が持てないで
いたら手伝ってくれ。



あたしがモタモタしてると
仕事がはかどらないと
思っただけかもしれない。



そんなことを考えたけど……
でもたとえそれが本心でも、
あたしにはその優しさが、
すごく嬉しかった。


だって今まで、そんなふうに
接してくれた人は一人も
いなかったから。


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