《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
――気づくとあたしは、
水瀬先輩のことが好きに
なってた。


あたしの、初恋だ。



恋をすると人は変わるって
いうのは本当で、先輩を
意識し始めた途端、あたしは
自分のことが恥ずかしくて
仕方なくなってきた。



かわいくないからと諦めて、
少しも整えてない髪、リップ
すら塗ってない唇。

こんな顔でいつも暗い表情を
してるあたしは、どんなに
みすぼらしいだろう。



―――あたしは生まれて
初めて、女の子として飾る
ことを意識した。



髪を切り、リップを塗って。



地味一色だった私服も、
スカートや明るい色の服を
買い足した。


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