《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
たしかに、体育祭の準備で
何度となく一緒に足を
踏み入れた場所だった。


大きなカゴとか跳び箱とか、
一緒に運んだっけ。



それを思い出したら、あたしは
照れと嬉しさで舞い上がって、
これっぽっちも不信感を
抱かなかった。



いくら二人っきりになり
たいからって、あんな狭くて
ゴミゴミした所に行かなく
てもいいんじゃないか?


――そんなことは、少しも
考えなかったんだ。



『中からだと鍵かかるんだな。

万一誰か来ないように、
一応閉めとこっか』



『扉閉めたら、けっこう
暗いですね……』



『大丈夫じゃない? 
電気つけたらバレるし。

あ、懐中電灯あるよ』


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