《完》シークレット・ティアラ 〜不器用なシンデレラ〜
山小屋で遭難したカップル
みたいじゃない? と笑い
ながら、水瀬先輩は懐中
電灯をつけた。



この時になってもまだ
あたしは、『そうですね』
なんて笑ってた。

……本当に、大バカだ。



懐中電灯を跳び箱の上に
置いて、あたし達は床に
三つ折りになってる
マットの上に座った。



並んで座って、ほんの少しの
スリルを味わいながら、
いつもどおりの他愛ない
会話を再開して――…。





―――でも、そんなのは
最初の数分だけ。




……すぐに、先輩の態度は
変わった。


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